この所元気会登山は悪天候で良く流れるが、関東地方は現在晴天続きで全く雨の
心配はない。今朝も起きると良い天気である。南房総水仙まつり号という聞きな
れない快速の臨時列車が両国から9時12分に出るので、其れに合わせて信濃町
から総武線に乗り込んだ。

両国では30分以上も時間があるので、誰も未だ来ていないだろうと思っていた
ら既に女子隊員が一人来ていて駅員と話に興じていた。快速列車の出るホームは
昔三年生の時、臨海教室で青山荘のある岩井までいった際汽車に乗った所だ。こ
の一段下がったホームが懐かしい。

時間が早いのでホームは、シャッターが下りていて入れない。そこで改札口の手
前を散歩することにした。流石両国、売店で相撲関係のお菓子や雑誌が沢山置い
てある。また改札のわきには長谷川関や三重の海関の優勝額が飾ってあった。長
谷川関は確か平幕優勝だったと思う。

シャッターが開いてホームから列車に乗れる頃になると、続々と元気会のメンバ
ーが集まってくる。全車両指定席なので「おめでとうございます。今年も宜しく」
などと声を交し、各自の席に散る。錦糸町など途中の駅から乗る人も揃い、総勢
11名が全て列車に乗ったはずだ。

千葉を過ぎると君津や姉が崎などの京浜工業地帯を通過する。メンバーの中には
産業戦士としてこの辺りに赴任した人もいる。だんだん遠い昔の話となってきた。
でも元気で仲間と山に登れるのだから、我々は幸せな部類だろう。

列車は結構込んできて8割くらいの席が埋まった。大体似たような歳のグループ
が多い。海が見てきて車内がざわめく。三浦半島の後ろに富士山が大きく姿を現
した。まだ全身真っ白とまでは行かないが、かなりの雪が積もっている。

保田駅に到着して相当の数のグループが下車した。副隊長さんがタクシーを予約
をしていてくれたが、かなり待たされそうな雰囲気だった。しかし結果的には嵯
峨山に向かうグループは元気会だけでタクシーにすぐ乗れ、小保田と言うバス停
に向かった。


お弁当を買いそびれた人がいて、保田の駅前にも店が無かったので、バス停のは
す向かいも雑貨店に飛び込んだ。半分シャッターが下りているので大丈夫かなと
思ったが、パンか何かを目出度く買えたようだ。

嵯峨山(316M)登山

1月17日(月)

吉村 悟(3回生)

小保田からは小川沿いに舗道をあるく。早くも白梅や水仙が我々を歓迎してくれ
る。15分くらい歩いて駐車場に到着した。去年来た時にここで道を間違えて左
に取ったため、嵯峨山に登れなかった。今日見たら新しく小さな道標が立ってい
る。間違えるのは元気会だけではないようだ。


水仙畑の脇を登って行くと道はますます険しくなる。暫くして「右手水仙ピークを
越えて嵯峨山」との道標がある分岐に着いた。なるほど少し登ると水仙が群生して
いる。頂上はもう少しだろうと思って頑張っていたが、道が意外に険しい。

この山は昔誰も登らなかったではなかろうか。最近になって開発されたので稜線に
無理に道を付けたので、崩れやすく細い道となったのでは?そんなことを考えなが
ら登ってゆくと、嵯峨山の頂上に着いた。「ヤッホー、着いたよ」と声を掛けると、
「ヤッホー」と返事があった様な気がした。でも後で皆に「着いたら着いたで声ぐ
らい掛けろ」と怒られた。


道も迷うことは無いしと思い一人で飛ばしたのが悪かったようだ。しかし時々トッ
プギヤに入れて登らないと、自分の体力を試すことが出来ない。リーダーとしては
万一に備えて、たまにはスピードを出すのも必要だと思う。

それはさておき女性の一人が怪我から回復の途中であり、ゆっくり登る必要があっ
たようだ。他の人達はその怪我のことを知っていた様だが、私はそのことを知らな
かった。これはリーダーとしてまずかった、と後で反省した。


嵯峨山の頂上は木があり鬱蒼としているが、ちょっと下がった所に展望の良い所が
あった。日も当たるのでそこで昼食にした。私は朝の列車の中でお腹がすいて二つ
しかない御握りを一つ食べてしまったので、昼食がすぐ終わってしまった。でも皆
さんからみかんやらチョコレートやらが沢山回って来て、お腹が一杯になった。有
難かった。


頂上から東京湾口がよく見え、大島が大変大きく眺められた。またその脇に小さく
見える島が三つぐらい見えた。八丈島か三宅島だと思うが、定かではない。でも普
段は見られない島々なので感激した。


下りは「釜谷経由で小保田」と道標に会ったルートを選択した。以外に広くてなだ
らかな道だ。怪我から回復中の人をエスコートするために、男性隊員の一人にケア
ーを頼んだ。私は最後尾をぶらぶらと下山することにした。釜谷の部落に入ると梅
も水仙も咲き、日本の早春だなと感じる。元気会のカメラマンも撮影に夢中になっ
た。


暫く行くと「右竹岡、左小保田」の道標があり、また階段を山の方へ登らされた。
登りきったら午前中見た「右手水仙ピークを越えて嵯峨山」との道標がある分岐に着
いた。あとは下るだけである。


駐車場に元気会の先頭が着くと同時にバイクに乗ったおじさんが下から上がって来
て、息せき切って店開きを始めた。何事かと思って覗いたら、水仙の束を一つ2百
円で売り出した。私も5束買って我が家へのお土産にした。他のメンバーも続々と
買い、結局おじさんが持ってきた20束全てが売り切れた。

小保田のバス停まで下りタクシーを呼んで待つこと10分、保田港にある漁協直営
の温泉に向かった。ゆっくり温まって、温泉の隣にある食堂で地場の魚をたらふく
食べ、ビールを少々飲んで元気会の新年会とした。「今年も健康でいて、又何処か
山へ登りたい」というのが、元気会全員の望みだ。

参加:男性)毛利、森、三ツ本、高広、谷、吉村、伊藤
   女性)小林、大窪、谷、平林

行程: 保田駅−(タクシー)−小保田バス停−下貫沢出会(駐車場)−水仙ピーク−嵯
峨山(昼食)−釜の台農道−水仙ピーク登り口−下貫沢出会(駐車場)
−小保田バス
停−(タクシー)−お食事処ばんや(
南町保田漁労直営)