横岳の山頂を経て焼森岳へ。こんな緑深い山々の中にどうして?と
思うような赤茶けてザレた山です。今登って来た横岳、男女岳を眼の
前に、ここでお昼のお握りを。乾いた砂礫の好きなコマクサがひっそ
りと咲いていました。

阿弥陀池

男女岳

横岳、男岳、男女岳

笹森山、湯森山

午前中お天気はOKと踏んで、暑いけれど快い道を片倉岳を巻いて男女岳
(おなめだけ)直下の阿弥陀池を目指します。夏休みの真ん中なのに登
山者も少ない静かな山域です。阿弥陀池はお皿に水を張ったような浅い
沼に見えました。澄んだ水に流れる雲を映しています。池から秋田駒の
山頂へは登り易そうな道がジグザクにつけられ登山者を招いているよう
です。秋田駒ケ岳(男女岳
1637m)最高峰は、近くに乳頭山、少し離れ
た岩手山などが望まれる展望の良い山です。遠望はイマイチでしたが周
辺の美しい緑の山々を堪能しました。

元気会と
トウゲブキ

秋田駒ケ岳(1,637m)登山

田沢湖畔にて

今年の夏山は例年の登山と違ってバラエティーに富んだものになり
ました。登山は少々軽めでしたが、その前後に魅力的なオプションが
ついたのです。元気会のメンバーも今や74歳と75歳、無理をせず
に山を楽しむなかなか良い趣向だったと喜んでいます。それにしても、
暑かった! まるで子供のころに帰ったようにかき氷をたくさん食べ
ました。


第1日目 8月7日(日)

参加メンバー7人が顔を合わせたのは秋田新幹線田沢湖駅、時刻は
13時丁度です。早速予約してあったレンターカー2台をゲット、
宿泊する水沢温泉へはまだ時間が早すぎるということで、急遽、角館
にいってみることにしました。クルマで小
1時間、角館の入り組んだ
道をさがしながら県の重要文化財となっている武家屋敷の並ぶ界隈へ
到着。嘗てこの地方を治めていた芦名家、その後は佐竹家に仕えた中
級武士の館でそれぞれに保存もよく、素朴だけれど味わいのあるどの
家の庭にも大きな枝垂桜が天蓋を作っています。この桜は
300年ほど
前京都の醍醐寺(秀吉の花見で有名)から移し植えられたものだそうで、
角館が東北の小京都と呼ばれ枝垂桜の名所ともなった所以でしょう。
桜の季節にはさぞかし観光客で賑わうことだろうと思いつつ、真夏の
緑深い角館を散策しました。


その後田沢湖畔へ。透明度の高い湖で近頃報道されたクニマス事件で
一躍話題にもなりました。伝説の美女、竜子像はどういうわけか東南
アジアの仏様みたいに金ぴかです。とりあえずご挨拶などして一同写
真を撮りました。

8月7日(日)〜9日(火)

八合目へ下ったときはまだ午後1時。稜線に霧が流れたこともあり
ましたが、お天気、持ちましたねえ!


このまま宿に帰って温泉三昧では時間がもったいない、それではとい
うことで、このあたりの景勝地「抱返り渓谷」へ行ってみることにし
ました。秋田県の中心部を流れる雄物川の支流の見事な渓谷です。か
つてこの渓谷で人とすれ違うとき、あまりに急峻で危険なためお互い
に抱き合って振り返ったという言い伝えがあり、それがこの意味あり
げな渓谷の名前になったようです。今は谷底よりかなり高い位置に遊
歩道がつくられており、奇岩の間を縫って渦巻きながら流れる美しい
渓谷を安全に眺めながら歩くことが出来ます。圧巻は渓谷の中ほどに
懸かった回顧(みかえり)の滝でしょう。両側から張り出した木々の
間を、大きな落差をもって流れ落ちる滝は、一瞬息を呑む雄大な美し
さです。東北の耶馬溪ともいわれるこの川は東北電力が管理している
そうです。

帰途のクルマの中で土砂降りの雨に合い、雷鳴も轟きました。天気
予報は時間が少しずれたけど当たっていたわけです。雨に濡れなかっ
た私たち、まことにラッキーでした。


第3日目  8月9日(火)

翌日は乳頭山の麓に湧き出ている乳頭温泉郷を探索しました。空吹
き(からふき)湿原という散策路があるというので、まず道標に従っ
て分け入ってみましたが、季節が遅く水辺の花も終ったようだし藪の
中で虫にも刺されるしで早々に退散して温泉を楽しむことに。

乳頭温泉には七つの湯場が点在しています。その中で最も古いとい
われる「鶴の湯」に。

山の道をクルマで探しながら到着。古びた藁葺き屋根にヒメジオンや
ペンペン草がはえているといった鄙びた温泉です。ここでも内湯や外
湯、いくつものお湯が設えてあるようでしたが、辛うじて2つのお湯
に、虫よけのハエ叩きや団扇を振り回しながら入りました。なかなか
出来ない経験をしたものです。乳白色のいいお湯でした。

食事処でお昼を食べ、さて帰路に。再び湖をノンビリと廻って田沢
湖駅へ。
2台のレンタカーがフル回転に活躍した山旅でした。駅前の
お蕎麦屋さんに立ち寄り、ビールで打ち上げの乾杯! 3日間、楽し
かった! 一人一人の仲間に感謝しつつ、田沢湖駅のホームで電車を
待ちながらの解散となりました。


行程  7() 田沢湖駅(レンタカー)−田沢湖−(レンタカー)
             −水沢山荘()
      8() 水沢山荘7:00(レンタカー)アルパこまくさ
        (
バス)八合目阿弥陀小屋−
男女岳−阿弥陀小屋
        
横岳(昼食)
八合目(バス)アルパこまくさ
        −(レンタカー)−抱き返り渓谷−(レンタカー)−
        水沢山荘

      9() 水沢山荘(レンタカー)田沢湖高原−(散策)
        田沢湖高原(乳頭温泉鶴の湯入浴と昼食)

            (レンタカー)1500田沢湖駅

参加者 男性)伊藤・小泉・高廣・森・吉村
    女性)重澤・大窪

水沢山荘への到着は4時過ぎ。創業はかなり古そうですが手入れの
行き届いた清潔感のある宿で、水沢温泉の元湯ということです。白濁
したお湯は程よい温度に保たれ、緑に囲まれた露天風呂はまこと心癒
される雰囲気に満ちています。

この夜聞いた翌日の天気予報が何とも良くない。一日中曇りで午後
には雷雨もあるなどというのです。がっかりしなながら、とりあえず
出かけてみようということに・・・



第2日目  8月8日(月)

朝とお昼、2食分のお握りを貰って7時出発。そのころは薄い雲の間
に青空も覗いています。レンタカーに分乗してマイカー規制地点の「ア
ルパこまくさ」まで20分ほど。ここで朝食をとりながら、八合目登山
口行きのバスを待つことしばし。

八合目へは30分弱で到着。久しぶり、準備運動にラジオ体操第一な
どやってから、登山道へ。緩やかな歩きよい道です。優美な起伏を見せ
る稜線には黄色いトウゲブキや紫色のハクサンシャジンが目につきます。


大窪 和子(3回生)

ハクサンシャジン