乗鞍岳(3,026m)登山
平成27年8月3日(月)〜4日(火)大窪 和子 (3回)
今年の夏山はどこにしましょう。5月に登った高川山あたりからメンバーの関心はそこに集まっていました。久しぶりに北アルプスの風を感じたい、でも今やみんな揃って78歳の私たちが無理なく登れる山なんてあるでしょうか?
「乗鞍岳に登ろう!」隊長の提案でした。3000mを越える山だけれど、2700mまで車が入るのです。そのあと300mほどを足で登れば山頂に立つことができます。これだ!というわけで、さっそく計画をを練り宿探しが始まりました。
8月3日の朝、それぞれの駅からあずさ9号に乗車し、11時56分松本駅で元気に顔を合わせたメンバーは男女半分ずつの8名です。駅ビルで賑やかにお昼ご飯を食べてから1時半にアルプス口(西口)へ。そこで予約してあった9人乗りのジャンボタクシーに乗り込みました。明日の登山に備えてこの日も少し足を動かしましょうと、タクシーで乗鞍高原の二つの滝を巡ることになりました。水量の多い豊かな滝でした。4時少し前に山水館信濃(わさび沢温泉)という老舗の宿に予定通り到着です。
翌朝、宿の車に送られて乗鞍高原の道の駅とも言われる観光センターへ。そこから登山口の畳平まで路線バスに乗る予定でした。ところがそこには地元のアルピコタクシーが待機していて、8人のバス料金とあまり変わらない値段で畳平まで行くというので、利用することにしました。
畳平は広々とした平らで、もう一つの観光センターみたいなところ。けれど行く手の山を仰げば斜面には大きな雪渓が広がり、夏スキーを楽しんでいる人々の姿があります。ここはまさに乗鞍岳の中腹、北アルプスの風が吹き抜けて行くところなのです。
さていよいよ登りに掛ります。足元はあまりよくありません。登って行くにつれて大小の石ころがごろごろする道を気を付けながら歩きます。右も左も高山植物のお花畑。以前は夏ごとに出会っていた懐かしい花々に声をかけながら行きます。肩の小屋を過ぎて顔を上げれば、目の前に大きな乗鞍山塊がすでに迫っています。朝日岳、蚕玉(こだま)岳の奥に最高峰の剣ヶ峰が! たった326mといえども必死で登ります。
遠望にはこれまた懐かしい穂高連峰がくっきりと。奥穂高、西穂高とジャンダルム、優美な吊り尾根と前穂高、数年前すぐ隣の奥穂の山頂では霧で見えなかった槍ヶ岳さえ、奥穂高の北側にすっくと尖っています。
目指す剣ヶ峰山頂付近はますます大きな石ががらがら動き、足を滑らせて足首を痛めたりしないように用心しなければなりません。辿りついた頂上の小さな神社に一礼して、せまい場所を譲り合って記念写真を撮りました。
登りながら一緒になった地元の中学生の団体は私たちが山頂に着くころにはすでに下って姿を消していました。
登りが大変なルートは下りだって大変です。怪我こそはしませんでしたが、滑ったり転んだり、登りとあまり変わらない時間をかけて畳平まで。人が行かれない崖下の雪渓で夏毛のライチョウが親子で遊んでいました。
一日中青空には恵まれましたが、時折大きな雲が動き、微かに遠い雷の聞こえることもありました。やはり3000mの高山です。天候がいつ急変するかもしれない危うさを孕んでいるということでしょう。
畳平からはまたまた誘いの掛ったアルピコタクシーで一気に松本まで下ることに。観光センター、沢渡、新島々などを経由して、2時間は掛りません。松本では駅に近い温泉に立ち寄り、一日の疲れを癒し、地元の料理を囲んで短い旅のあれこれを楽しく語り合いました。結果的に文明の利器をフルに活用することが出来た、いいとこ取りのアルプス登山となりました。こんな山旅、また出来るかなあ?
行程:8月3日(月)
新宿−(中央本線)−松本(昼食)−(ジャンボタクシー)−観光センター
−(付近を散歩後、宿へ)
8月4日(火)
観光センター−(タクシー)−畳平−肩の小屋−乗鞍岳剣ヶ峰−肩の小屋(昼食)
−
参加: 男性)森、谷、高廣、吉村
女性)谷、重沢、小林、大窪